ホドロフスキーのDUNE

先週、川越スカラ座で観てきました。

川越スカラ座は昭和感あふれる、古〜い映画館。
一度、オーナーの方がご高齢なため閉館の憂き目に遭ったのですが、某NPOが引き継いだことにより、復活をとげました。根強いファンがいるようで。

当初は明治38年に寄席として作られたのだとか。
数度のリニューアルを経て映画館となり、現在の形になったようです。
見てください。この味のある入り口!

中のロビーも座席も、別の時代に来てしまったような感覚に包まれます。
もはや、この映画館を含めて映画を体験しに行くこと自体が、イベントなわけです。
さらに毎週月曜日は、うれしいサービスデー1000円。
今ではミニシアター系の映画を中心にかけているようです。
現在は6/27までホドロフスキー祭り中。

で、映画の内容ですが、ドキュメントらしく小気味よく、DUNEの企画に関わったあらゆる人々(しかも超一流の人ばかり!)のインタビューからできた作品。

未完の大作に終わったホドロフスキーのDUNEがなければ、スターウォーズブレードランナーもエイリアンだって、なかったかもしれない。特にSFファンじゃなくとも、ホドロフスキーを知らなくても、「映画ってこんな風に企画されて進んでいくんだ」「クリエイターをこんな風に集めるやり方もあるんだ」そして「こんな風に企画は頓挫していくんだ」という視点で楽しめます。ものづくりに関わってる人、これからそういう仕事をしたい人は必見かも。

何度も書いてますが、ホドロフスキー爺のイケメンぶり、無邪気っぷり、そして狂いっぷりはすごい(笑)
やはり少々狂ってるくらいじゃないと、とんでもない物を創ったり、人を引っぱっていったりはできないんだなーと、狂いっぷりの足りない自分は思うのでした。H.R.ギーガーの怪漢っぷりも、ものすごく…。

DUNEの後は、つづけて「ホーリー・マウンテン」を鑑賞。
これは73年にホドロフスキーが制作した、カルト中のカルトムービー。

占星術、禅思想、その他、精神世界系の思想がベースになってるので、それ系好きな人は楽しめると思いますが、いやーホントにバカバカしい!!ホドロフスキーのいいところは、題材は難解そうなのに映像は派手でわかりやすく、バカバカしく、スタイリッシュなところかと。ラストシーンには度肝を抜かれましたが、これはある意味真理をついてるな、と。

それにしても、ホドロフスキー関連・連続2本は重かった(笑)
帰り、川越の街をラーメンを求めてフラフラ。
小江戸」と呼ばれる観光地のわりに18時過ぎるとほとんどの店が閉まってて、ものすっご、さみしい気分に。

昔ながらの風鈴を軒先に下げている店が多く、とろけるような「チリ〜ン…チリ〜ン…」という音色に引き寄せられるように、ある小道に吸い込まれていくと……あらっ…
その先には七福神のひとり、福禄寿をまつった蓮馨寺がありました。

入っていくと先客のネコ様が鐘の下でお休みになっていた…
ここの主でしょうか。